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バルセロナ観光でガウディ建築を巡るなら、カサ・バトリョとグエル公園のどちらを選べばいいのか、あるいは両方回るべきか迷う方も多いのではないでしょうか。私たちは今回、この2つのガウディ建築をどちらも訪れました。今回はその際の見学ルートや感想よりも、「なぜこのようなデザインになったのか」というガウディ建築の背景や歴史に焦点を当てて紹介します。
アントニ・ガウディとはどんな建築家か
アントニ・ガウディは、19世紀後半から20世紀初頭にかけてバルセロナを拠点に活動したカタルーニャ出身の建築家です。直線的な構造よりも、自然界に見られる曲線やうねりを取り入れた独特のスタイルで知られています。
ガウディの人生を語るうえで欠かせないのが、実業家エウゼビ・グエルとの関係です。1878年のパリ万博でガウディの手がけたショーケースを気に入ったグエルが本人に接触したことをきっかけに、以降約40年にわたってグエルはガウディの最大のパトロンとなりました。カサ・バトリョとグエル公園は、いずれもこの2人の関係から生まれた作品です。サグラダ・ファミリアなどとあわせて「アントニ・ガウディの作品群」としてユネスコ世界遺産にも登録されています。
カサ・バトリョ:「海」をテーマにしたガウディの傑作
建物の歴史
カサ・バトリョは、もともと1877年にガウディの師にあたる建築家エミリオ・サラ・コルテスによって建てられた建物です。その後、繊維業で財を成した実業家ジョゼップ・バトリョがこの建物を買い取り、ガウディに全面改築を依頼しました。1904年から1906年にかけて行われたこの改築で、ガウディはファサードから内部の間仕切り、光を取り込む吹き抜け(光井戸)まで、建物全体を作品として作り変えています。

見どころと解釈
カサ・バトリョ全体のテーマは「海」だとされており、青みがかったタイルや波打つような曲線が随所に使われています。バルコニーの手すりは仮面のような形をしており、1〜3階のファサードには骨を思わせる石柱が並びます。屋上の瓦は龍の背中の鱗のようにも見え、カタルーニャの守護聖人サン・ジョルディの伝説(龍を退治した騎士の物語)になぞらえた解釈が広く知られています。ただし、ガウディ自身がデザインの意図を詳しく語らなかったため、これはあくまで有力な説の一つとされています。建物には「コウモリの家」「あくびの家」といった愛称もついています。

訪問情報
カサ・バトリョは事前のオンライン予約がおすすめです。現地窓口での購入は割高になるうえ、混雑時は当日券が売り切れることもあります。チケットにはオーディオガイド付きの基本プランから、混雑を避けられる優先入場付きの上位プランまで複数の種類があります。
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グエル公園:実現しなかった理想の分譲住宅地
誕生の経緯
グエル公園は、もともと公園として計画されたものではありません。1900年、グエル伯爵はイギリス風の田園都市構想に感銘を受け、バルセロナ郊外の丘陵地(かつて「禿げ山」を意味するムンタニャ・ペラーダと呼ばれていた場所)に、自然と芸術に囲まれた高級分譲住宅地を作ろうとガウディに依頼しました。約60区画の宅地が計画されましたが、中心部から遠く坂も多いことから買い手がつかず、実際に建てられたのはグエル自身の家とガウディ自身の家のわずか2戸のみ。1914年に計画は中断され、グエルの死後にバルセロナ市へ売却されて、1926年に市立公園として開園しました。

見どころ
公園の中心にある楕円形の広場を囲むベンチは、割れたタイルの破片を組み合わせる「トレンカディス」という技法で装飾されており、座る場所によって異なる色合いが楽しめます。その下には、かつて市場として使われる予定だった「百柱の間」と呼ばれる列柱空間が広がります。入り口付近にあるモザイクのトカゲ(サラマンダー)の噴水は、公園のシンボルとして特に人気の撮影スポットです。ガウディ自身が晩年に暮らした家は、現在ガウディ博物館として公開されています。高台に位置しているため、広場からはバルセロナの市街地を見渡す景色も楽しめ、私たちが訪れたときの眺めもとても美しいものでした。
訪問情報
グエル公園の有料エリア(モニュメンタルゾーン)は時間指定の完全予約制で、現地での当日購入はできません。1時間あたりの入場人数にも上限が設けられているため、訪問日が決まったら早めの予約がおすすめです。
2つの建築を巡る際のポイント
移動方法とアクセス
カサ・バトリョはグラシア通り沿いの中心部にあるのに対し、グエル公園はやや郊外の高台に位置しており、地下鉄やバスでの移動が必要です。地下鉄(LessepsやVallcarca駅)を使う場合、駅から公園入口まで20分近い上り坂を歩くことになるため、私たちはカサ・バトリョ近くから24番バスに乗ってグエル公園へ向かいました。乗車時間は30分ほどでした。このバスは公園東側のカルメル通り(Carretera del Carmel)付近に到着し、有料エリア(モニュメンタルゾーン)の入口にも近いルートです。観光バスの発着も多く、団体客で賑わっている印象でした。帰りも同じ24番バスを利用しました。
なお、バルセロナの市バスは車内での現金払いに対応しておらず、クレジットカードやスマートフォンのタッチ決済のみで乗車できます。乗車は運転席側の前方ドアから、降車は中央または後方のドアからが基本です。乗る際は運転手横の読み取り機にカードやスマホをタッチし、バス停で待つときは手を挙げて運転手に合図しないと停まってくれないので注意が必要です。
訪問時の注意点
どちらも時間指定チケットのため、移動時間を考慮しながら予約時間を調整しておくと当日慌てずに済みます。また、グエル公園は坂や階段が多いため、歩きやすい靴での訪問もおすすめです。
まとめ
カサ・バトリョとグエル公園は、どちらもグエル伯爵という一人のパトロンとガウディの関係から生まれた建築です。一方は個人邸宅の改築、もう一方は未完に終わった分譲住宅地と、成り立ちはまったく異なりますが、自然の曲線を取り入れたガウディらしいデザイン哲学は共通しています。歴史的な背景を知ったうえで訪れると、見え方が変わってくるかもしれません。
よくある質問
Q. カサ・バトリョとグエル公園、どちらを先に見るべきですか? A. 決まったルールはありませんが、グエル公園は坂が多く体力を使うため、午前中に訪れて、午後に中心部のカサ・バトリョを見学する順番がおすすめです。
Q. チケットは現地で当日購入できますか? A. グエル公園の有料エリアは事前予約が必須で、当日の現地購入はできません。カサ・バトリョは当日窓口でも購入可能ですが、オンライン予約より割高になるうえ、混雑時は売り切れることもあるため事前予約が安心です。
Q. カサ・バトリョの屋根の意味は結局何なのですか? A. カタルーニャの守護聖人サン・ジョルディの龍退治伝説になぞらえた説が広く知られていますが、ガウディ自身が明確に説明を残していないため、公式な正解は分かっていません。


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